中小企業診断士 鷺山はるこのブログ「Si.Eccolo(スィ,エッコロ)」

AAS名古屋代表  鷺山はるこのブログです。 中小企業診断士2次受験ノウハウを惜しみなく掲載中!         ※Si.Eccolo!とはイタリア語で「はい、ここにあります。」という意味です。

社長シリーズ

事例に出てくる門外漢社長の場合

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今日は、昨日からの続き。
業務に門外漢の社長が後継したケースを
R4年の事例気任汗睫世靴燭ぁ

農業生産法人の話だった。
この会社の強みは、農業法人豊富な従業員が
連携することで生み出す新品種の生産能力だ。

一方、弱みは、この専門性の高い世界や
働き方が規格化されていない世界に
人が馴染みにくく、居つかないということだった。

そんな世界で、これまで飲食業でしか
経験のない娘が後継者となる時、
どう権限移譲や教育を進めていけばいいのか?

この問題の解答で、試験当日、
「門外漢の後継者に現経営者から
まず農業について教育を行う」と解答した方がある。
それは優先順位の高いことだろうか?

後継者は農業部門だけの長になるのではなく
全社的な経営者にさせようとしていた。
後継者として何をすべきか?

まずは現社長と常務から「経営」を教わることだ。
「社長業」を学んでもらうことだ。

では、社長業を教え、学ぶことに忙しくなったら
直営店やその他部門は誰がマネジメントするのか?

今回の事例では、次のヒントがあった。
・直営店では後継者に提案してくる
 若い従業員がいた
・生産部門にも若い従業員がいる
・農業部門には経験豊富な従業員もいる

彼らが、現社長、常務を代行し、
業務を行う過程で育ってくれるのが良い。
後継者を支え、将来の事業部門の長となるべくだ。

権限移譲を行うことで責任感も生まれ、
大きく育つかもしれない。

この事例の最後では「世代交代」も
示唆されていた。後継者の就任にあたり、
いよいよ新しい時代に突入していく、
そういうストーリー展開なのだ。

一般的な中小企業では、
こんなに上手くはいかないケースも多いけどね。

しかしこれは成功事例から作った本試験問題だ。
当然、上手く成功していくように
ヒントも盛り込まれ、作りこまれている。

あとは、これに皆さんが気づき、
しっかり拾えるか、気づけるかどうか?だね。

そのためには、事例問題を生きた企業だと
思って、いつも考えながら学ぶことだ。
表面上のテクニックだけ、身に着けようと
思わないことだ。

決して忘れずにいてほしい。
「誰になる試験か」。
hana359

急に社長になってしまったら

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もし、目の前に門外漢社長がいたら、
というお話をしている。
昨日は、ある程度「継ぐ準備」ができる
社長の話だった。
今日は「そんな気も無かったのに」
継いでしまった社長についてだ。

会社の経営は、事業を行うことだけではない。
取引先や金融機関とのやりとりなど、周辺業務も多い。

急に後を継ぐことになった時、最初に戸惑うのはここだ。
会社の業務について知らないことがまだあるのに、
「経営者」の業務に走り回ることになる。
「経営」自体にも門外漢なのにだ。

こんな社長に「自分たちの業務を知らないくせに」
と従業員が文句を言うのはどうか?
そもそも物理的に無理があるのだ。
両方を一度にできるようにするのは。

私たち診断士は、
こんなお気の毒な社長に出くわすことも多い。
では、そんな社長をどうやって支援するのか?

組織は、「組織構造」と「組織文化」できている。
これを思い出そう。この両方を整理していくことが
私たちの役割になる。

だが、具体的にはどうするのか?
一度には難しい。さらに、私たち外部の人間には
「組織文化」を変えることも難しい。

「組織文化」とは社長と従業員、全ての人々が
日常で築き上げるものだ。そのうえ、変えるのにも
とても時間がかかるものだ。

だからまずは「かたち」「ハード」から変えていく。「組織構造」だ。
役割分担や権限、責任を明確にし見える化していく。

併せて、様々な規則やマニュアル、会議などの制度も整えていく。

そうしてこれらを創る過程で、社長だけでなく
従業員の声も吸い上げ、全員で共有していくのだ。

早い話が門外漢の社長を「形」からサポートする
体制をまず整える。同時に従業員にも
社長を助ける意識を持ってもらうようにするのだ。

社長にもとてもメリットがある。
従業員が日々、何をどうやっているのか?
自然に学ぶこともできるからだ。

ゴールとしてのソフトなメリットを引き出すために
ハード面から入って整備していくのだ。

さて、実はこんなお話は事例問題では出ない。

事例問題は、もっとよく作りこまれていて、
コンサル経験のない人にも理解できるように
ヒントを盛り込んである。

明日は、事例問題の例を一つ挙げて、ご説明したい。
hana10

門外漢社長の苦難

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中小企業さんのコンサルで最も多く
出くわすのは、「コミュニケーション問題」だ。

特に、後継者がトップとなり
これまでの従業員との
軋轢が起こることも多い。

意見の相違も発端はこんなところから起こる。

・社長は経営者として「経営」をやろうとする
・従業員は自分たちの「親方」でいてほしいと思う

社長が経営のプロになるために
努力するのは当たり前のことだ。

だが、従業員は自分たちと同じように
業務を詳しく知り、自分たちの苦労も理解する
リーダーであってほしいと願う。

ここにお互いの意見の食い違いが生まれる。

実際、自社の事業に門外漢の経営者であっても、
はじめは、自社の業務を経験し、
ある程度修行し、
覚えていく行程を踏めれば問題はない。

かつて白書のアンケートでも語られていた
「後継者がどうやって事業を承継したか」の
という話だ。業務は現場で覚え、経営は前任の経営者から、
覚えたというあれだ。

このアンケート通りのストーリーで作られていたのが
令和2年事例気梁元の話だ。

この後継者は経営については経営のプロである祖父から学び、
業務については現場で働くところから始めていた。
「蔵元」の事業に門外漢だったからだ。

こうやって現場で少しでも修行すれば、
その過程で従業員に一目置くこともできるし
コミュニケーションも取れるようになる。

そうすれば大きな問題を抱えず、
軋轢も少なく、最後は社長の座につけるだろう。

だが、急なケースはどうだろうか?

先代が病になったり、急死したり。
後継者自身が「社長になるつもりはなかった」
状況で、急に後釜にされたらどうなるのか?

当然、その会社の業務には門外漢のまま
社長として経営を行うことになる。

こんな社長を支援することになったら、
あなたはどうするだろうか?

続きはまた明日お話したい。
皆さんは診断士(になる人)として
考えてみてほしい。

bird101

「朝令暮改」は社長の責務

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8日、真珠湾攻撃から80年を迎えた。
ニュースでは追悼の式典が。

103歳になる元米軍の兵士が語る。
「日本人とはいい付き合いができている。
 恨んではいないよ。」

そう聞いてもなお、胸が痛む。

『ああ、』というため息とともに、
なぜ止められなかったのか?
そんな悔しさが胸の奥に重く溜まる。

世の中は目まぐるしく変化する。

そんな環境変化の中で、
社長であるリーダーは、
いかにあるべきか。

状況と情報の収集を常に、広く深く行い、
自社の戦略について決断を下す。

だがそれが間違っていると思えば、
周りから朝令暮改であると揶揄されようが
言う事がころころ変わる、
そんな社長は信用できない、と
下から非難されようが
そんなことは気にしなくていい。

リーダーである社長の役割はなんだ?!

懸命に変化を読む、そうして
生き延びる方向や道、手段を決定する。

決断の方向を誤ったと思えば、
舌の根も乾かぬうちに、
「止める!」と言えばいい。

社長には「朝令暮改」行動がいる。

いやむしろ、
変化が激しい今の世で、
「朝礼暮改」であることは社長の責務だ。
社員を守るための責務だ。

私の周りの活力ある会社、
変化の荒波を泳ぎ切り、乗り切る会社の社長さんたちはみな、「朝令暮改」の人たちだ。

固まるな、蹲るな、批判を恐れるな!
必要ならば、ころころ変わってもいいのだ。

むしろそれこそが、社長としてあるべき姿だ。
to1

社長シリーズ【顧客の声を聞きすぎてしまった彼】(後編)

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今日は昨日からの続き、地元で人気の
老舗ラーメン店のお話しだ。

ある時、その店が立地する街が、
某TV局の番組の素材になるとの情報が入った。
国民的な番組だ。

その情報が流れるようになって、街に観光客が増えだした。
それと同時に、競合店も増えだしたのだ。

そもそもラーメンは、その地域の名物でも
あったのだが、それまでは地元の人間が
食事で利用する程度だったから、店の数も案外少なかった。

それが、観光客の増加とともに、
ラーメン店で創業する店が日に日に増えていった。

観光客は外部の人間だ。
地元では人気でも、プロモーションが上手な店や
安い店に流れてしまう。
また地元住民にとっても、新しい店は興味深い。

これまで、利用してくれていた人たちも、
よその店に浮気する日がでてきた。

おかげで、これまで店の外まで客が並んだ店だったが、
すぐに入店できる店になってしまったのだ。

TV番組が本格的に始まると、その傾向は
もっと顕著になっていった。

危機感を抱いたのは3代目だ。

これまで一子相伝の汁にこだわり抜いていたのだが、
ある時、店の中でこんな声を聞いた。
「しょっぱいよね、ちょっと」
「それに高いしさ」「量多すぎだよね」

日に一人くらい・・・と思っていたが
観光客が増える度、その声も増えるようになった。

三代目は悩んだ。目の前で、
日に日に顧客は減る。もう生きた心地ではなかったという。

結局、三代目は顧客の声を聞くことにした。
環境変化に適応しようとしたのだ。

味を薄く、値段も少し下げて、
その分、サイズも少し小さめにしてバランスを取った。

だがTV番組はいつか終わる。それとともに観光客も減る。

競合店たちも出来ては消え、出来ては消えを繰り返し、
彼もまた、この変化の波を乗り越えようと必死になった。

そして、最後に最も辛い声を聞いてしまった。
これまでの既存客たちからだ。
「美味しくなくなったよね。なんか昔の味と違う。」
「高いし、他の店でも変わらないね。」

その後、その店から想い出の味を感じられなくなった既存客たちが
徐々に減っていった。この店の行く末は、敢えて語らない。

最後に、受験中のみなさん。
平成29年事例気硫杙卆渋ざ箸了例を読み返してほしい。
あの会社は必死に、昔の味とブランドを守ろうとした。

古き時代を知る戦友たちが去ろうとする時も
その想いを引き継ごうとした。

愛顧してくれる顧客のために、お店は何を守るべきか。
あるラーメン屋さんの話を参考に考えてみてね。

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プロフィール

中小企業診断士の鷺山(さぎやま)はるこです。中小企業診断士2次専門校AAS名古屋の代表を務めています。このブログを通じて、診断士を目指すみなさんへ、なんらかの“気づき”をご提供したいと思っています。よろしくお願いします。経営コンサルタント(株)ニュートンズアイ代表取締役。

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