私には今、困っていることがある。
それは、朝の散歩で
うちのコーギー犬「ころ七」と対立することだ。

いがみ合いというか、睨み合いというか、
結構ハードな戦いなのだ。

現在彼は13歳と半年。お年頃ならシニア世代。
まさに「頑固じいさん」そのものだ。

自宅を出てすぐ、半径50メートルの範囲が特にそうなのだが、
自分の嗅ぎたい場所を、
嗅ぎたいスピードで、嗅ぎたいように嗅ぐ。

どんなに引っ張っても説得しても言うことをきかない。
自分の思う方向以外には、絶対に歩こうとしない。

ついに先日、首輪がすっぽ抜けた。
私の引く力が、ころ七の踏ん張る力に負けた。
それでもジッと、私を睨んで動かない。
『俺は悪くない!』そんな反抗的な目つきだ。

さすがに埒が明かないと、
先日は童話の「北風と太陽」作戦に変更した。
褒めちぎって歩かせることにしたのだ。

彼に一番効く言葉は「かっこいい〜〜っ」だ。
「ころ七くん、かっこいい〜〜!すごーい!
我ながら、こんな声が良く出るもんだと思うような、
かん高い「犬なで声」で褒めまくった。
通り過ぎる人たちの含み笑いにも耐えながら。

すると少しずつ歩を進め、ようやくペースを掴んで歩くようになった。

ほんとにもう・・・。
朝から調教師になったり、太鼓持ちになったり、
疲れるし、実に厄介な散歩が続いているのだ。

ところで、こんな「ころ七」を見ていて
ふと思った。人間も同じではないか?

受験生もそうではないか?

うちの受講生がよく言う。
「私は今、自宅学習で
 小さな成功体験を積み重ねています。」

うちのオンライン通学講座では、講座の事前、事後で課題を出す。
けっこう、出す。
付けるべき力を、宿題というかたちで
しっかり身につけてもらうためだ。

特に後半の実践力養成クールになると
受講生自身から
「今、小さな成功体験を積み重ねています。」
という声が聞こえてくるようになる。

初めはできなかったことも、後半にはできるようになる。
「小さな成功体験を積んでいる」と実感できることは、
自分で自分を褒めているのと同じだ。

だから益々、積極的に勉強するようになる。
加速度がつくように勉強するようになる。
できる喜びを感じるからだ。

犬と人とを比べるなんて恐縮なのだが、
嬉しいから頑張れるのは、みな同じじゃないかな。

どうせなら、自分の心が喜ぶ努力をしてほしいと切に思う。
嬉しいことなら頑張れる、そう確信するから。

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